石焼きいも(紅あずま) 
販売期間 9月下旬〜3月中旬


荻窪 鈴木青果店では、毎年9月の下旬から
3月中旬頃まで、焼き芋を販売しております。

ご家庭でも出来る ”美味しい焼き芋を作る方法”を、ちょっとご紹介します。ぜひ、お試しあれ!


・ こうして焼き芋焼いてます


当店では、この時期、焼き芋の販売をしています。

ガスで石を焼いて、その石の上に芋を並べて、
じっくり待つこと約1時間。

美味しい焼き芋が出来上がります。


焼き芋は酵素の働きで甘くなるので、
時間をかけて加熱しないと、美味しい焼き芋にならないのです。


お芋は茨城産の ”紅あずま” という品種を使っています。
茨城の中でも”山武出荷組合”のお芋は、
とても美味しくておすすめです。


・ いろいろな焼き芋屋さん


ちょっと前までは石焼き芋といえば
”壺焼き”と言う方法が、一般的だったようです。

その名の通り大きい ”壺”の底に、七輪を入れて炭を炊き、
その壺の縁に針金を引っかけて、芋をぶら下げます。
下から来る熱風で、美味しい焼き芋が出来たそうです。

この方法でも、40分〜1時間かけて焼き上げたそうです。
やはり美味しい焼き芋を作るには、この加熱時間が鍵ですね。


京都の四条河原町で見かけた”焼き芋屋さん” は、
家庭用の何十倍もあるような中華鍋(?)で焼いていました。
地元では評判の焼き芋屋さんだそうです。


頭としっぽを切り落としたさつま芋を鍋の上に並べて、
これまた大きい木の蓋をして、焼いていました。


・ 電子レンジは禁止!?


ご家庭でさつま芋を焼くとき、気を付けなければならない点は、
”電子レンジを使わない” というところです。

何故か?といいますと、電子レンジは、短時間で火を、
しかも内側から通してしまうという欠点があるのです。

確かに短時間で火が通りますが、美味しい焼き芋をつくるには
焦ってはいけません(T - T)/ ジット ガマン デス


ゆっくりゆっくり、外側から時間をかけて、
酵素が十分に働ける環境をつくってやらねば、なのです。


蒸す場合も時間をかけてゆっくりと、オーブンレンジの場合は、
アルミホイルを巻いて、オーブンで時間をかけてゆっくりと、
酵素が働ける環境をつくってやることが大事です。


するとどうでしょう?
簡単に美味しい焼き芋がご家庭で出来ます。
お試しくださいませ(^-^)/


そうそう、禁止ついてに!?もう一つ。
保存の際、冷蔵庫も禁止です。

お芋は冷蔵庫に入れると風邪をひきますので、
水分が飛ばないように軽く新聞紙でくるんで、
常温の涼しいところで保存してくださいませ。


・ お芋の甘みはどこから来るの?


さつまいもはβ-アミラーゼという酵素を持っています。

蒸したり焼いたりすると、さつまいものでんぷんが糊化して
α-でんぷんというものにかわり、これにβ-アミラーゼが作用して、マルトース(麦芽糖)というものを生成して、甘くなります。


このβ-アミラーゼという酵素は、さつまいもの温度が100度近くになり、何分かすると失活してしまうんです。そして、この酵素の作用時間が、甘い焼き芋をつくる、重要なところなのです。

ですから、冷えた焼き芋の再加熱には良いのですが、焼き芋をつくるときは、電子レンジは向いていないんです。

煮たり、茹でたりするときも、水からゆっくりと加熱することで、甘みを引き出すことが出来るというわけです。


・ 美容と健康づくりに


サツマイモは太る!というのは俗説で、カロリーは100gあたり163Kcalと、意外に低めです。

老化を防ぐ「ビタミンE」、おなかのお掃除「食物繊維」、高血圧予防の「カリウム」、そして美容に必須のビタミンCも豊富です。

でんぷんが糊化して、ビタミンCの消失を防いでくれるので、加熱されてもほとんど壊れず(70%)に残っています。

骨を丈夫にするのに欠かすことができないカルシウム、マグネシウム、リンも豊富なので、骨粗鬆症の予防にも効果が期待できますし、鉄分も含まれているので女性にもおすすめです。

○ 栄養成分表示
さつまいも(塊根 ・ 焼き ・ 100g当たりの数値)
エネルギー : 163kcal
蛋白質 : 1.4g
脂質 : 0.2g
炭水化物 : 39.0g
カリウム : 540mg
カルシウム : 34mg
マグネシウム : 23mg
リン : 55mg
: 0.7mg
ビタミンE : 1.3mg
ビタミンC : 23mg
食物繊維 : 3.5g



・ お芋の紹介



さつまいも(紅あずま) 旬:9〜11月

今関東では ”紅あずま” というお芋が主流です。

筋っぽくなく、ホクホクとした食味、皮が赤くて
身は黄色なところが好まれる理由でしょうか。


・ 良質のものを選ぶコツ


さつま芋はぽっちゃりして、すらっとしているのが
美味しいと言われています。

”ぽっちゃり” で ”すらっと” と言うと、
矛盾しているようにも思えますが、
基本の形はこれなのです。

イメージとしては ”さつまいも” と言われて、
頭に思い浮かぶ形です。(抽象的すぎますかねぇ?)


・ ちょっとめも


さつまいもは、中央アメリカ(メキシコ)が原産地といわれています。17世紀には、日本でも ”琉球”や ”鹿児島” そして ”長崎” で栽培されるようになりました。

そこで出てくる ”青木昆陽” さん。
教科書でもおなじみ、徳川吉宗の時代、当時の蘭学者であったこの人、長崎から取り寄せた種いもを小石川薬園で栽培に成功させました。

土壌を選ばず栽培も容易なので、各地で栽培されるようになり、天明の飢饉の際には多くの人の命が救われたそうです。

このころからさつまいもは ”救荒食物” として
用いられるようになったのでしょうか。

生産量も消費量もアジアが多く、中でも中国は世界の8割の生産量を誇っています。

日本では芋の部分しか食用にしませんが、東南アジアでは野菜として”つる” や ”葉”も食べるそうです。


昔からの品種 ”紅赤”(通称 ”金時”)は人気がありますね。
埼玉県川越市で発見された品種です。味は一級品、しかし、
栽培方法が難しいらしく、現在ではあまり市場に出回りません。

”栗きんとん” と言うと、このお芋なのですが、
なかなかお目にかかれません。
独特のホクホク感が、懐かしくもあります。